今時、手書きの履歴書の方が「企業に気持ちが伝わる」とか書いているサイトがあったりします。手書きで履歴書を書くって、どれだけ手間が掛かるか、この記事を書いている人、分かっているのでしょうか。手書きに拘る以上、当然、誤字脱字なども自分で許せずに蟻地獄に嵌っていくのが目に見える様です。けれど、弱っている中高年はこんなバカげた記事に心が揺れたりするのです。そして、手書きにチャレンジして更に心が折れたりするのです。
私は幸いなことに?、字が壊滅的に下手なので、ワープロによる履歴書、一択だったのです。まったく責任を負いませんが、履歴書、ワープロ上等と思います。履歴書に大事なことは「気持ち」ではなく「分かり易く整理された情報」ですから。言い換えれば、履歴書/職務経歴書で大事なことは、書面審査の段階で「お祈り」をされないこと、その1点です。それに、履歴書/職務経歴書、これから再就職を考える中高年は何通、何十通も作ることを覚悟する必要があります。運よく最初に面接をしてもらった会社から採用してもらった私ですが、履歴書/職務経歴書は、5社に送付しました。まぁ、ワープロで作っているので、文書内で応募先企業名など特定の情報を書いている部分を正しく置き換えることに注意すれば、後はプリンタが働いてくれます。自慢ではありませんが、私の場合、「お祈り」は1社だけでした。ちなみに「お祈り」をしていただいた1社に出した履歴書は、応募する固有の業務名を「別の会社に出したもの」を置き換えないままにメール送付してしまうという「ワープロ履歴書あるある」をしてしまったのです。メールを送付してから、10分もしない中に「お祈り」をしていただきました。ちゃんと読んでもらっていることは分かりましたが、いい大人が恥ずかしいことをしました。

<履歴書>
履歴書、35年振りに書きました、否、パソコンから入力しました。思えば昔はこんな面倒なもの、昔は私も手書きしていたのですね。当時の人事部の方、本当に申し訳ありませんでした。私の書いた文字、ほとんど「未知の言語の解読」だったに違いありません。
さて、履歴書ですが、パソコンで入力が可能なフォーマットが、ネット上に数多くアップロードされています。どれも一緒です。お好きなものを選んでください。基本はExcelで編集することを前提とした書式です。私は家では「Open Office」(Free)を使っていますが、問題なく、これらのファイルを読み込めます。
履歴書、どんな要素(コンポーネント)があって、何を書くのか、本当にスカッと忘れていました。
先ず左側上部に名前と連絡先を入力します。そして、その下の欄に「学歴・職歴」を書き込みます。早くもここから、ネットの情報に頼ります。有難いなぁ。転職における履歴書では学歴は高校入学から書くということを知り、入力をしていきます。次いで入社後の経歴ですが、どうやら、ここは「カンタン」に略歴を書けばOKです。何回も転職をしている人だと、この部分だけで相当のボリュームになってしまいますので、ページの左側だけでは足りない場合には、右側上部に記載をします。このあたりのレイアウト変更が容易なのも、ワープロ履歴書のよいところです。また、この部分の詳細は「職務経歴書」という転職をしたことがない人間には「未知のドキュメント」に書くことになります。
右側に移り、今度は「免許・資格」です。よく、これまでの仕事と関係のない資格など書いてもムダということを言われますが、私は、ムダではないと思っています。仕事と関係がなくとも「資格を取る」という行為を成し遂げたという証明にはなるのです。特に未経験の仕事に応募するならば、「この人は新しいことにチャレンジできる、自分のモノにすることができる」という評価にはなるハズです。何も資格をもっていないと「普通自動車第一種運転免許」のみが記載されている淋しいものになります。別のエントリに書きましたが、私は大した資格ではありませんが宅建他6つの資格を書き連ね、この部分が面接のときに面接官との会話ネタになり、話題が途切れることがありませんでした。国家資格は持っていて損をすることはありません。中高年がこれから転職、再就職を考えるならば、「転職ノウハウ本」「老後の生き方本」を読み耽るよりも、何でもよいので国家資格にチャレンジすることをおススメします。いろいろな刺激や気付きがあって、とても有意義ですよ。
続いて「志望の動機、特技、自己PRなど」という欄ですが、ここ、実はとても枠が小さいのです。パソコンで履歴書を作り、文字フォントを小さくするという反則技を使っても、せいぜい200文字の入力が限界です。つまり、このことからも、履歴書とは「頑張ります」という誠意を訴求するものではないということが分かります。
最後に「本人希望記入欄」というものがありますが、これは本来的な使い方は求人応募における「応募者からの申し入れ」部分(こういうことを知っておいて欲しい)なので、ここにも「頑張ります」とか「よろしくお願いします」とか書いても仕方がありません。枠としては結構に大きいので、つい余計な誠意を見せてしまいがちです。
当たり前田のクラッカーですが、履歴書で応募者がアピールできるのは、「自分の経歴を自分がきちんと整理できている」ことだと思います。嘘の履歴は書けませんし、持っていない資格も書けませんので、これまでの自分の半生で自分のことをきちんと分かっているかということではないでしょうか。
また、「履歴書における仕事の空白期間」は作らない方がよいと思われます。何故、空白に至ったか、それが何故再び求人応募をしたか、相手を納得させる答えはなかなかに準備できないものと思います。

<職務経歴書>
こちらはこれまで転職経験のある人以外は初めて書くものとなります。職務経歴書もパソコンで入力が可能なフォーマットが、ネット上に数多くアップロードされています。こちらは、基本はWordで編集することを前提とした書式です。
これは、「経験した主な業務」と「自己PR」を記す二つの要素から成るものです。この中で「経験した主な業務」の書き方は、ネット上にうんざりする程、「悪い例」と「良い例」が転がっています。「自分がやってきたこと」をどう表現するかというテクニックが大量に開示されています。「具体的な手柄」を書け、「単にメンバーの一人だった場合は自分の役割」を切り出して書けなど、嘘でなければ、かさ上げはOKという感じです。「良い例」なるものは、あまりに立派なことが書かれていて、こんなスゴい人が転職、再就職をしたいといのは、何か余程隠しているものがあるのではと勘ぐってしまいます。
そして、最後に「自己PR」です。これもネット上で「悪い例」と「良い例」が大量に発掘できますが、私の場合は、「他人と一緒に仕事ができる」「おじいさんだが、自分で手を動かせる/パソコンは人並みに使える」「できる限り長く仕事を続けたい」という3点を書いただけでした。前職で「こんなことをしてきた」と詳細に書いたところで、その仕事をする訳ではないので、面接官にとって関心はないのだろうなと思ったのです。自分にできることを改めて汎的な視点から分解すると、大したことなど何もできない中高年がポツンとそこにいるだけでした。けれど、それで勝負をせざるを得ないのです。それが、私の歩んできた社会人生活(キャリア)、そのものだったのですから。
まぁ、未経験者を対象にした企業の中高年採用に関する要件は「安い給料を受け入れ、仕事に必要な所作(あいさつ、電話、メール、Excel)は既に教育ができている」ことだと私は思っています。企業は中高年に、そんなにエラい人を望んでいる訳ではないのです、きっと。

次回の「中高年の早退」は、④求人サービス として、「誰にも頼らずに再就職する」と意気がっていた私が、求人サービス/求人サイトをどう活用したかを書こうと思います。ではでは。

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