誰でもある心理だと思いますが、無意識に「誰にでも好かれようとする」、このことで随分とイヤな思いをしてきました。60歳になっても、まだそんなことをしているのですから、困ったものです。

2013年12月以来2020年7月現在、国内の発行部数が228万部という大ベストセラー「嫌われる勇気」(著:岸見一郎/古賀史健)を今更ながらに読みました。アドラー心理学を分かり易く対話形式で展開しています。

いろいろと感想はありますが先ずは「若い頃に読みたかったな」です。私が若かった頃にはまだ発刊されていませんけどね。どのページにも「成るほど!」という内容が書かれているのですが、特に私の記憶に強く残ったものは次の3つでした。

① 人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである
② (今が不幸で幸せを得たいと思うのであれば)いちばん最初にやるべきことはなにか。それは「いまのライフスタイルをやめる」という決心
③ 人は相手を屈服させようとして「怒り」の感情を使う。怒りとは出し入れ可能な道具

今を生きている人は何らかの悩みを持っている訳ですが、この3つのことを知っているだけで、随分と気分が楽になる様に思います。人間関係をすべて断つことはできないとしても、イヤだイヤだといいながらもそこに留まるのであれば、それは「自分」がその方がマシだと選んだことによるもの。痛いところを突いてきます。

特に「怒り」に関しては正にそのとおりで、思えばこれまでの長い時間、随分とヒドいことを周囲の人たちにしてきたなと思うのです。そもそも本当に「怒る必要があったこと」など無かった様にすら思うのです。今となっては何にもなりませんが「詫びる」一方です。

また、本の中に「10人の人がいるとしたら、そのうち一人はどんなことがあってもあなたを批判する。あなたを嫌ってくるし、こちらもその人のことを好きになれない。そして10人のうち2人は、互いにすべてを受け入れ合える親友になれる。残りの7人は、どちらでもない人々だ」というユダヤ教の教えが紹介されています。

このことも「人間社会ってそんなものだ」とタカを括っていれば、「自分の課題」を全うするために、(特に)自分を嫌う他者の顔色を窺う必要もありません。相手が自分をどう思うかは「他人の課題」なので、こちらではどうにもできませんしね。

本当に今更ではありますが、「自分の課題」を全うするために心掛けておくことを学ぶことができました。一番忙しかった時期にこそ必要だった本を、すっかり暇になった頃に読む、きっとそんなものなのでしょう。

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