退職後、会社のOB会といったものに行くと、そこだけ在籍時のヒエラルキーの様なものが残っているのか、それとも、入社年次は尊重するとして、それ以外は「ご破算」になっているのか、謎の世界です。うん? 早期退職者の人? こっちの列に並んでね、賛助会員みたいなものだからね、取り敢えず年会費だけ払ってね、適当なタイミングで会場の中に入れてあげるから。すべてが謎の世界です。

最近の若い社員には出世の意欲、即ち、「管理職になりたい」、「役職につきたい」というのが乏しいのだそうです。何でも調査の結果ではアジアで最下位だとか。昭和の時代の様に「全員が出世を目指す」という「画一的な価値観」に支配された状況よりは、この方がずっとマシだと思いますが、この50年くらいの間に一体何が起きていたのでしょうか。

今の管理職の姿をみて失望した、どうせ役職になんか付けないんだから頑張ってもムダ、倹約して投資してお金ためてFireするまでの間の腰掛だから、趣味の世界を中心にして生きる… いろいろな声がネットに集まり、それらしく分析がされています。本当のところは「本人たち」に聞いてみないと分かりません。

今の若い人たちって、時代に遅れずに生きていくための「必修科目」が昔に比べて大幅に多くなっている様に思います。SNSをきっちりとやったり、早朝の投資勉強会に出たり、もしかすると副業もしていたり、忙しくて会社の仕事なんかしている暇などないのかも知れません。体に気を付けてね。

そんなご時世でも「会社を背負っていくエース」というのは会社の中で生まれ育ちます。
「81.2%の大企業の人事担当者が、出世や昇進する社員には「共通点がある」と回答」という「早く言ってよ~」という調査レポートを見つけました。今更ながら、少し気になります。
※出典:ユームテクノロジージャパン株式会社 「社員の学習習慣」に関する実態調査(2021.11)
※大企業(従業員数500名以上)の人事担当者101名にアンケートを実施

Q:あなたは、出世・昇進する社員には共通点があると思いますか
A:かなりあると思う(33.7%)+ややあると思う(47.5%)→共通点がある(81.2%)

Q:出世・昇進する社員にはどのような共通点があると思いますか(複数回答可)
A:1位 日々の振り返りを行っている(61.0%) 2位 周囲と良い人間関係を築いている(56.1%) 3位 夢や信念を持っている(53.7%) 4位 学習習慣がある(51.2%) 5位 チームや会社の成長を第一に考えている(36.6%)

そうか、若手社員だった私のことを人事、人材育成、そして現場のマネジメントの人は「こいつ、全然ダメな奴」とみていたことが今になって分かりました。共通点とされるもので私が具備していたものなど「何一つ」ありません。毎日遅くまで残業をしているものの進歩がなく、生意気で先輩の言うことを聞かず、「早く家に帰りたいなぁ」という信念を持ち、下らないSF小説ばかり読み、もっぱら自らの体重の増加に邁進している。タイムマシンがあったら、このレポートを持って、当時の私の目の前にバンっと置きたいところです。

そうそう、思い出しましたよ、今から30年くらい前に誰か知らないオジサンが残業をする私の目の前に紙を広げて「読め」と言ったことを。気持ちが悪かったので、読まずに捨てましたがね。

このアンケートにおいては「4位 学習習慣がある」という部分に着目をして、更にこの部分の有効性を掘り下げています。確かに「努力する才能」は大事です。(昔、松井秀喜さんもそんなことを言っていました) 「学習習慣」が社員に身についていればそれを継続させる、十分でなければ人材育成の一つの方法論としてそれを根付かせる。助走さえ助けてあげれば、あとは社員が自ら学び、吸収し、それを仕事において発展させていく。納得できる考え方です。

「素質」という部分が大きいのかも知れませんが、会社人生のどこかで「出会い」があって、振る舞いや習慣が変わるのかも知れません。有名なウィリアム・ジェームズ(米、哲学者)の言葉が浮かんできます。
「心が変われば行動が変わる/行動が変われば習慣が変わる/習慣が変われば人格が変わる/人格が変われば運命が変わる」

久し振りに「出世」なんて言葉を書いたり、キーボードから入力してみました。この言葉、会社から離れてしまうと、日々の生活ではまったく意味の無い、役に立たないものです。今更、私がどこかの飲み屋でお財布を持っていないことに気付いても、「それじゃ、出世払いね」などとは誰も言ってくれないのです。当り前田のクリケットです。(クラッカー以外にも商品があることを先日知りました)

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