どうにも細かい言葉使いが気になる人がいるのです。最近では、目上の人や取引先に対して「助かりました」というのは失礼だと、盛んにネットで目くじらを立てています。

何でも「労いの言葉は下から上に掛けてはいけない」だとか「本来自分がやるべきだったことを敬うべき相手にさせたことをそのままに話してはいけない」だとか、いろいろと難しいことを言うのです。

私なんか全然気にしませんけどね、若い人に「どうもありがとうございました。助かりました」って言われても。それどころか「いいことしたな」ってうれしくなってしまいます。それに相手だって「精一杯感謝を伝えたい」と思って、勇気を振り絞って「助かりました」と言ったのです。それを責めなくたって、いいじゃん、いいじゃん。

ついこの間まで、私もこういう「面倒くさいこと」が重要視される社会にいたのです。こういう感覚がプロトコル(標準規約)になって成立している社会、私はもう戻れません。

今、時折ですが私が働いているところはいわゆる「現場」なので、「緊迫した瞬間」が突然に発生したり、いろいろなバックグラウンドをもつ「多様な人たち」と一緒に仕事をすることが当たり前なのです。そこでは「言葉遣い」を気にしている余裕などなく、みんなが「きちんと役割を果たすこと」に必死で、それができていれば、万事OKなのです。
「ため口」なんてのも当たり前の世界で、ここに「助かりました」に目くじらをたてる様な人がいたら、きっと気絶してしまうのです。

それぞれの社会に、それぞれの流儀というものがあるので、どちらがよいとか悪いとかいうことはありませんが、この年になって、細々とした言葉遣いに汲々とするのはもういいかなと思うのです。卒業です。菊池桃子です。(斉藤由貴でも可)

さてさて、最もシンプルで、もっとも大事な言葉「ありがとう」のことが気になります。
ゴディバが2019年に行ったアンケート調査を見てみます。
※以下出典:ゴディバジャパン株式会社 「ありがとう」に関するアンケート調査(2019.2)

<一日に平均して何回、「ありがとう」と伝えますか?> ※口頭、メールなどを含む
・全体平均:14.1回
・20代男性が最も多く29.4回、60代男性が最も少なく3.5回
・男女ともに年齢が上がるにつれて「ありがとう」を伝えなくなり、特に男性は50代以上にな ると大幅に回数が減少(40代男性:15.9回、50代男性:4.7回)

これって、50代、少な過ぎです。多くの50代はまだ勤めているのでしょうから、社会との接点が減ったということもありません。一日に5回かぁ、いったいどこで「ありがとう」って言ってるんでしょう。会社かな、家かな。軽々しく「ありがとう」と言わないという主義なのかも知れませんが、そこかしこで「ぎくしゃく」していることを心配してしまいます。

<「ありがとう」と「声」に出して伝える人:幸福度/年収との関連>
’一日に平均して4回以上「声」に出して「ありがとう」と伝える人とそうでない人を比較してみると、「人生の幸福度」について、4回未満の人の「幸福度」は10点満点中6.0点、4回以上の人が7.1点と、一日平均4回以上「声」に出して「ありがとう」と伝える人の方が「幸福度」が高いことがわかりました。また、年収についても、 4回未満の人が349.9万円、4回以上の人が371.0万円で、こちらも一日平均4回以上「声」に出して「ありがとう」と伝える人の方が20万円以上高いことがわかりました。’ (引用元:「ありがとう」に関するアンケート調査)

「ありがとう」って相手に伝える、特に「口に出して伝える」というのは、自分が幸せになって、しかも収入まで増えるという「いいことずくめ」だったのです。確かにどの社会でも信頼され、愛されている人って、常に感謝を忘れない人ですよね。するとそこにいろいろと「よい縁」が出来て、幸せを運んでくるというサイクルが出来上がる。「ありがとう」って口に出しても、お金が掛かる訳でも、自分の価値が下がる訳でもありません。素直に感謝を伝えて、どんどん幸せを呼び込んじゃいましょう。
お釈迦様曰く「素直に『ありがとう』と言えない人は、決して幸せにはなれない」だそうです。

丁度今から1年前、長らく勤めた会社を早期退職したとき、最後の出社日の午後に「500人くらい」の宛先に「退職のご挨拶メール」を出しました。これまでの感謝とお別れを伝えたかったのです。
すると、メールを出してから数分がたって、期せずして沢山の人から「お疲れさま、ありがとう、お元気で」というメールの返事を頂戴したのです。お別れの日が、人生の中で「最も嬉しかった日」の一つになったことを今も覚えています。私は元気でやっています。

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