私は節操のない音楽ファンで、3つ年上の兄の影響で10歳頃より洋楽のポップスを聞き始め、それから約50年、クラシック、ジャズ、ニューミュージック、歌謡曲、そして現代音楽にいたるまで、いろいろな音楽を聞いてきました。神の恩恵を受けた天才たちの紡ぎだす音を聴くことは本当に幸せなことです。

自らもピアノやギターを少しかじり、30年程前からはDTM(パソコンを使った作曲、演奏)を楽しんでいます。

そして、フランク・シナトラです。勿論、代表曲として知られるマイウェイやニューヨーク・ニューヨークなどの名曲は知っていたのですが、それ以上に熱心に聴くことはありませんでした。ちなみにMLBのニューヨーク ヤンキースのヤンキースタジアムでの試合後に球場で流れるのがシナトラのニューヨーク・ニューヨークです。テレビでMLBを観戦していても、いつもながら、これには感動します。さぁ、ゲームは終わったよ。これから次のお楽しみに行こうじゃないか。私にはそんな風に感じられるのです。幸せな大人の解放感があります。

どうして急に「シナトラにはまる」ことになったかというと、図書館の貸出CDデータを検索していたところ、偶然、何かのキーワードで「シナトラ・ベイシー」というCDが表示されたのです。フランク・シナトラとカウント・ベイシーとな?とばかりに、Googleで検索したところ「素晴らしい名盤」という評価です。そして、このCDを借りて聴いたのですが、1曲目のムーン・リバーから見事にはまってしなったのです。それから続けて何枚かCDを聞いて、その素晴らしさに圧倒されたのです。

シナトラの歌声はThe Voiceと称されるそうですが、包み込むような芳醇さがあり、誰にも似ていない「シナトラ」だけの声なのです。また、バックの演奏がまた素晴らしいのです。最近の打ち込み中心のシンセサイザーによる音やリズムとちがい、スピーカーからいろんな音が聞こえてきます。楽器と楽器の音がぶつかり、重なり、空気がうねります。人の息遣い、踊る人の気配がします。聴いているととても元気になり、ただただ幸せな気持ちになるのです。

60歳の手前までシナトラの素晴らしい世界を知らずにいた不幸を悔いると共に、今、触れることができた幸せを感じるのです。

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