昨日、2ヶ月振りに心臓と血圧を診てもらっているホームドクターのところに行きました。普段は診察券を受付に出してから30分程度で受診の順番が来るのですが、昨日は珍しく混み合っていて、1時間程度も待つことになりました。
こういうときに限って本も持っておらず、いつ名前を呼ばれるか分からないのでイヤホンで音楽も聴けず、スマホをずっと眺めていると目も痛くなり、結局は目を閉じて仮死状態になっていました。やることもなくボーっとしている、最高の幸せでしたけどね。
さて、最近は「老後2,000万円」問題ではなく、インフレに伴い「老後4,000万円」問題になったのだと言われています。そもそも「2,000万円」とは、モデルとする世帯(65歳夫、60歳妻)が65歳以降で無職の場合(収入は年金のみ)、毎月約5.5万円の不足が生じ、これが30年続きとした場合の試算に基いています。(5.5万円×12ヶ月×30年≒2,000万円)
だから、65歳時点では2,000万円の貯えがあると安心ですね、という訳です。実際には、「2,000万円」ですら、多くの世帯では準備できないのが現状ですから、「4,000万円」の資産をそれまでに形成しておくなんて、到底無理な話になってしまいます。
それでも生きていかねばなりませんから、みんないろいろと思いを巡らせます。若い人ほど選択肢(オプション)が多く、何ら手を打たずに年寄りになってしまった場合は、ただただ働き続けるのみです。
若い世代のオプションは、①投資などで十分な資産を準備する ②老後も無理なく高収入を得られるスキル/経験/資格を得る ③生活スタイルを改め「徹底的にお金を使わない」暮らしに移行する… こんなところでしょうか。確かにこういうチャレンジをする若い人たちが増えた様に思います。
それで、「ただただ働き続ける」年寄りのことを考えてみます。先ずは65歳までに「2,000万円」の資産は形成していたが、インフレなどで、あと2,000万円が必要になるケースです。65歳から75歳まで働くとして10年間、手取りで200万円の年収が必要となります。これ、「バイト」程度では得られる収入ではないので、結構に大変な覚悟が必要になります。それ以前に、こんな仕事を探すのが困難です。
次は1,000万円は準備できていたが、あと3,000万円が不足するケースです。65歳から75歳までは、先のケースのとおりに何とか「2,000万円」の収入を得ることができたとして、あと「1,000万円」をどうにかしないといけません。
75歳から85歳まで10年間に「1,000万円」の収入を得るとするならば、手取りで年に100万円、月に8万円強を得られる仕事をすることになります。さすがにこの年では「バイト」ぐらいしか見つけられないので、時給1.200円×6時間×12日間(週3日)といった求人を見つけなければなりません。
これを満たせる選択肢はぐっと狭まりそうで、しかも「キツイ」「夜勤」なんてのが条件になりそうです。後期高齢者になって、これは辛いなぁ。少しも「終わり良ければ総て良し」ではない人生です。
こんなシミュレーションをしてみると、国が言い始めている「高齢者のリスキリング」なんていう施策が頭をよぎります。そう、もはや多くの人たちに「安寧な老後」なんてものは存在せず、「暗澹たる日々」が待っているだけであることを静かに受け入れねばなりません。それでも生きていくための「リスキリング」です。
つまり、85歳くらいまで働くことも視野に入れて、シニア以降の就労戦略が必要になってきます。勿論、もっともっと若い頃から「老後の生き方」を考えて備えていれば、別のやり方もあるのでしょうが、そんなに思ったとおりにはいかないのが人生です。大事なのは「覚悟」ですかね。
さて、肝心の「求人」状態ですが、自分が62歳になったからそう感じるのか、シニア向け求人においても、もはや年齢的に「対象外」のものが多い様に思えます。いわゆる「40~50代活躍中」という記載です。60代以上ともなると、ほぼほぼ「警備」「マンション管理人」ということになります。これ、どちらも相当に「覚悟」が必要な仕事です。
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鉢植えの万年青(おもと)の株分けをして、庭の隅に植え替えるという作業を週末に少しずつ進めています。何せ20以上も鉢やプランターがあるので、まだまだ先が長いのです。今日(5/19)もまた、一つ、庭に下ろしました。
大きな鉢で巨大に育った万年青、株分けすると大体10ケ程度にもなるんですよ。常緑で、これが「長く続く繁栄」を象徴するとされ、結婚、新築や引越し祝いの贈り物とされていますが、我家にどの様にして「最初の一鉢」がやって来たかは、遥か昔のことで、今では覚えていません。