何でも略してOKです。大して時間の短縮にもならないのに、サラリーマンの世界は略語で溢れています。「年調」は年末調整だし、「人給」は人事給与だし、「コンプラ」はコンプライアンスです。企業毎の方言は数知れずです。そして、「販促」は販売促進です。えっ、今日のエントリのタイトルと違うじゃない! そう、「反則技」の書き出しです。

「反則」と言えばプロレスです。特に何だか怪しいマスクを着けた覆面レスラーの十八番です。子供の頃は「何で反則にレフリーは気付かないんだろう」ってもどかしく思ったものです。大人になると「プロレス」全体が興行で、リングでは卑怯な反則を繰り返す覆面レスラーも他の選手と一緒に仲良く会場を移動したり、わいわいとご飯を食べたり、ビールを飲んだりしていることに気付きます。そういうの、何だかいい感じです。MLBなんか見てると一塁ベース上で対戦するチームの選手同士がヘラヘラ会話をしてる、いいなぁ、ほっとします。

「反則」というのは文字通り、規則に反することです。退職者は会社という「規則の巣窟」にオサラバしているので、何をやったとしても、そもそも縛られる規則がないので、「反則」ということはないハズです。けれど、忘れてはなりません。退職者にしたって、よき「市民」であり、よき「家族の一員」でなければなりません。

それで、私が「退職者の反則技」と考えているのが「現役だった頃の会社のルールや価値観をご近所や家庭に持ち込むこと」なのです。何かと仕切ってしまうこと、合理的な答えこそが正しいと考えること、自分がやっていることが何よりも優先されると考えること、細かく家族の振る舞いをチェックすること… いくらでも思い当たります。退職者、しばらくの間は近所と家族の面倒くさい敵みたいなものです。せっかくオトーサンがいなくて幸せだったのにね。

しばらくの間は「何だよ、会社に比べたら、家のことなんか簡単で幼稚なもんだな」などと「今までの自分」が通用する様に勘違いしているのですが、徐々に「会社でしたきたやり方」を新しい日常に持ち込んでも通用しないことを思い知らされます。それでも、懲りずにこれを続けていると「反則!」として、イエローカードが叩きつけられます。イエローカードは2枚で退場(レッドカード)であることを忘れてはなりません。

モノを買うとき以外は誰もあなたを大切にしてくれません。何か思いのとおりにしようと得意のネゴをしようとしても、にべもなく「ムリっすね」と瞬殺されます。オカーサンのしたことに何か注文を付ければ、「そうね、それじゃ明日からお願いね」と返されてしまいます。さて、新しい日常をどう生きていったものか、いっそのこと現役の頃の「部下」を家に呼んじゃいましょうか。

そもそも家庭内には「不満」が満ちています。先ずは「基本部分の不満」です。ここに「毎日家にいる」とい鬱陶しさが加わります。
※出典:saita 旦那ばかりおかしくない!?妻が夫に対して不満が溜まる5つの場面(2021.2)

<妻が夫に対して不満が貯まる5つの場面>
夫ばかり一人時間満喫してない?/家事分担がフェアじゃない/育児は「手伝う」という考え方/基本的に「自分が一番!」/家事や育児を評価しない/自分一人で頑張りすぎず、「伝える」一歩を

まぁ、いちいち反省です。今までは「きっと会社で大変な思いをしているのだろう」と大目にみてくれたことも、もはや容赦ありません。先ずは「どこか行ってきたら?留守番してるから」なんて言ってみるのはどうでしょう。喜ばれるよりも先に怪しまれますかね。

結局は会社のルールに何年も掛けて馴染んでいった様に、新しい日常に溶け込んでいくしかない訳です。大丈夫です。まだまだ時間はありますから。それに「会社」というのは極めて特殊な集団であったと暫くして気付きます。まぁ、ショッカーみたいなもんですよ。

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