最近、胸がときめくプレゼントってもらいました? 何? 大きな声でもう一度、毎日素敵な笑顔を家族からもらっている? それは結構なことで。
さて、「嬉しいプレゼント(贈り物)」とは何でできているのでしょうか。最近流行りの成分分析をしてみましょう。あくまでも「私見」ですので、そのままに信じたりしない様にして下さい。
◎80%:誰から
きっと、ほぼこれだけなのでしょう。大好きな人から、大事な人から貰ったものは、例え「出来損ないのピカソ」の様なクレヨン画でもウレシイのです。額に入れて飾ったり、スキャンしてスマホの待受けにしたりするのです。
その一方で、どんなに高価なものでも、「何故もらえるのか」が不明な人からは受け取れません。プレゼントされたら、気持ち悪い訳です。中高年のおじさんたちも若い頃、大好きだった女の子から「受け取れません」などと言われて撃沈してきたのです。古傷でしたね、思い出させてごめんなさい。
◎10%:いつ
記念日(誕生日など)、何かの節目(入学など)といったタイミングでのプレゼントはうれしい訳です。だって、「特別の日」には、みんな何かを期待しているのですから。逆に「特別の日」を忘れていたら大変です。奥さんもお嬢さんも、しばらくは口もきいてくれないかもしれません。今すぐ、カレンダーを確認して下さい。
◎5%:味付け
プレゼンを完璧なものに仕上げるための大事な要素が「味付け」です。例えば、意外性=サプライズです。結婚記念日、「今日は仕事で遅くなるよ」などと言って、奥さんをガッカリさせておきながら、早い時間に花束を買って帰る みたいなことです。奥さんが一人で高い寿司なんか食べていても怒らないことが大切です。
◎5%:何を
結局、何をもらっても、これまでに書いてきたものが満たされていたら、「嬉しいプレゼント」だと思うのです。ピントが外れたプレゼントであっても「洒落」としてウレシイのです。例え、立派な「くし」を贈られても、私はにっこりと笑って、「先に育毛剤をもらえるとよかったかな」などと言える訳です。
されど、もらったらウレシイというものはある訳で、父の日にもらってうれしいものというアンケートがあったので簡単に紹介します。ハンカチの準備をしておいて下さいね。
1位:食べ物・飲み物(20.5%)、2位:何もいらない(16.5%)、3位:趣味に関するもの(13.5%)、4位:手紙・メッセージカード(12.3%)
1位の理由は「家族みんなで楽しめるから」だそうです。そして、子供たちの懐具合まで心配して、何もいらない、手紙が欲しいとか、みんな素晴らしいお父さんなのです。まぁ、ちょっと豪華なもの(5.8%)というホンネで生きているお父さんもいますけれど。
※出典:まくら株式会社「父の日に関するアンケート調査/父の日に欲しいプレゼントは?」(2020年)
少し前から、「自分へのご褒美」という言葉をよく聞きます。さすが不寛容な国:日本!ということで、ネット上では不人気な言葉です。いいじゃないすか、誰もあなたのお財布を使っている訳じゃないんだし.. されど、わざわざ他人に「自分へのご褒美です」とか言うのも確かにちょっと気持ちが悪い感じもするのです。
博報堂さんが「自分へのご褒美」に関するアンケート結果を発表しています。アンケートは「贈答について、あなたにあてはまるものを教えてください」という全体質問の中の一項目で、「自分へのごほうびとして自分にプレゼントを買ったことがあるか」というものです。
このアンケートは1998年から2年おきに行われているもので、どうやら「自分へのご褒美」がこの国に定着したのが「1998年」頃だということが分かります。
●買ったことがある:46.4% ※1998年の調査開始から少しずつ増えています)
●男女差:男性(34.7%)、女性(58.4%) ※予想通り?女性の方が自己ご褒美率が高くなっています
●年代差(男性):20代(44.7%)/30代(44.5%)/40代(35.1%)/50代(26.1%)/60代(25.1%) ※「自分へのご褒美」はやはり若い世代中心の考え方の様子です
●年代差(女性):20代(71.8%)/30代(60.6%)/40代(61.3%)/50代(53.3%)/60代(46.4%) ※女性にとっての「自分へのご褒美」は中高年層まで習慣化している様子です
※出典:博報堂 生活定点1992-2020 「自分へのごほうびとして自分にプレゼントを買ったことがある」
最初に書いた「好きな人、大事な人からもらえればプレゼントは何でもいい」一方で、自分が欲しいものは「自分へのご褒美」として買うことを正当化して、ちゃっかりと手に入れている、そんな感じですかね。
男性が単独で花束をもらうのって、どういうときなのでしょうか。ピアニストやってますとか、演歌歌手ですとかいうレアケースを除けば余り多くない様に思います。あと、病気で長いこと入院していて、退院するときにもらえるかなというぐらいです。
会社では、退職のときぐらいで、転勤とか昇進とかのタイミングで花を贈るというのはあまり聞いたことがありません。うっかりプレゼントされると「長いこと、お疲れさん」などと冷やかされるに違いありません。
私も昨年の3月末に早期退職をしたときに、最後の出社日に同じ組織にいた人たちから花束と贈り物をもらいました。花束を持って電車で帰る、何だか3月の風物詩って感じですよね。
男性、女性を問わず、どんな事情があったとしても、勤め先を辞める日にもらえる花束は、ただ頂けるというだけで、すっと胸のつかえが下りるものだと思います。楽しいばかりの場所もなく、苦しいばかりの場所もなく。