近頃の若い人たちの間では「貯蓄」と「投資」に関心が高まっています。何故? それは「FIRE」により、ヤバい未来を自分でコントロールするためです。中高年は彼らと同じ夢が見れるのかしらん?
私の答えは「みんな頑張ってね、私は手遅れだよ。それに例え若い頃であっても、こんな修行の様な準備は無理!」という感じです。

<みんな知ってるけど、改めて「FIRE」とは何? 火傷する? 缶コーヒー?>
「FIRE」とは「Financial Independence, Reire Early(経済的自立と早期リタイア)」の頭文字です。(お金を調達して)資産運用による経済的な自立ができる様になり、早く引退しちゃいましょうということです。アメリカで生まれた生き方?ですが、本家のアメリカでは40歳前後でのリタイアが「Early」というイメージです。ということは、この時点で既に日本の中高年は「およびでない」ということになります。
日本でもこの生き方を標榜する若い人たちも出始め、ここに「ミニマリスト」的な発想も加わり、「FIRE」には至らないまでも、「貯蓄」「節約」そして「投資」がブーム化しています。

<FIREできる条件>
「FIRE」の世界には4%ルールというものがあります。これは、「生活費を投資元本に対して年4%以内に抑えることで資産を減らさずに生活をし続けることができる」というルールです。何故4%なのかと言えば、米国の金融商品の実績年利が4%であり、これがパラメータに設定されています。
つまり、投資元本が7、500万円の場合、年4%で運用すれば年間の運用益は300万円となります。その場合、生活費を300万円/年以内に抑えれば、FIREは実現(投資元本を減らさない)できることになります。
ポイントは二つです。
①7,500万円はいつ貯められるのか?:300万/年、25万/月の貯蓄ができて25年間掛かります。これは大変です。途中で投資などによる大きな運用益を得なければ、貯蓄だけでは「早期にリタイア」など夢の話です。ううむ、普通に仕事などしているヒマはありませんね。仕事はそっちのけで、始終お金のことを考えていないとダメな様子です。大丈夫か、仕事、クビにならないか?
②300万/年の暮らしは楽しいのか?:300万円/年というのは、設定としてムリがありそうです。「夫婦2人で老後生活を送る上で必要と考えられている最低日常生活費をみると、平均額は月額で22.1万円」(令和元年度 生活保障に関する調査(生命保険文化センター))とのことですので、早期にリタイアして、老人夫婦なみの節約生活が実現するということになります。夢のある話です。

本気でFIREを考えている人は、きっとあの手この手で「投資元本を大きくする」「運用利益率を大きくする」(リスクを背負う)ことをして、「FIRE後の使えるお金」を増やしていくのでしょう。私にはとてもそんな試算に明け暮れたり、夜も眠れずに金融市場の動向に一喜一憂することはできません。まぁ、そんな能力がないということです。
ちなみに「投資元本」は足りないけれど、その分を別のことで補うというFIREの考え方があります。既にそれはFIREではない様な微妙な感じがしますが… SIDE FIRE(副業+FIRE)、BARISTA FIRE(不足分の労働+FIRE)などと呼ばれるそうです。こうなるとただの「アーリーリタイアメント後の資金繰り」と何が違うのかよく分かりません。

<中高年がFIREを考える>
私が使っている「中高年」という言葉の定義を今一度しておきます。私は高齢者雇用安定法における定義である「45歳以上65歳未満」を中高年としてエントリを書いています。「人生に影が差し始め、いよいよ観念をするまで」という人生の一時期です。この国では65歳から「高齢者」(老人)という定義がある訳です。65歳以上はきっと「別の世界」が広がっていると私は思っています。それまでとは、ずいぶんと心持ちが変わるハズです。
中高年の中には既に事を成し遂げ「FIRE」している方も少なくないことでしょう。けれど、金融広報中央委員会の調査(2020年)によると、「50代世帯の平均貯蓄額は1,684万円で中央値は800万円」「60代世帯の平均貯蓄額は1,745万円で、中央値は875万円」という結果が報告されています。お金持ちの人が平均値を引き上げてしまうので、注目すべきは中央値(並べたときの順位の真ん中)です。みんな、そんなにお金を貯蓄できていないのが実情の様子です。まぁ、貯蓄はしていないけれど「株」「投資信託」がたくさんあるという場合はここに反映されないのですが。FIREどころか、「老後に不足する2,000万円」(金融庁報告)とも大きな隔たりがあるのです。しかも、最近は「2,000万円ではなく5,000万円が不足する」という話まで出ています。
※金融広報中央委員会の調査については、最新のもの(2020年)にデータを更新しました(2022年1月26日)
若い世代とは違い、これから「種銭(投資元本)を増やす」だけの収入も時間もなく、現在の「種銭」すら日々取り崩して生きている、そんな中高年にとっては、「FIRE」(経済的自立と早期リタイア)というのは「遠目で眺めるもの」の様子です。まぁ、今から、情報商材の様なものを信じて、「少ない種銭を大きく増やす」に賭けてみるという手もありますが、私はお断りです。それに、すでに「早期リタイア」ではありませんしね。

<若い人たちが見ている未来>
今、若い世代は自分たちの未来を相当に悲観的に見ている様に思います。税金は上がり続け、今でも「額面と手取り」の際に愕然としますが、今後コロナ禍の後始末は国民が税金で行わねばなりません。年金も「いつもらえるか、いくらもらえるか」が本当に分からなくなってきました。今の中高年ですら、逃切りに「?」マークが灯っています。
更に雇用においても「終身雇用/年功序列」にいずれ終止符が打たれるでしょう。また、「最後の砦」だった退職金は今ですら、以前に比べて大幅に減額されているのです。
「自分の未来は自分で守る」、若い人たちは「生き残るため必要」という直感から、その準備を始めている様に思います。贅沢をしたい、リッチな老後を送りたい、成功者になりたいということではなく。

改めて「FIRE」などという言葉を冠して社会現象化する必要もなく、昔から、ずっとずっと昔から、「自分の未来は自分が守る」という「しっかりした人たち」はいました。2000年に出版され、日本でも多くの人に読まれた「金持ち父さん貧乏父さん」(ロバート・キヨサキ著)という本がありますが、自分が働くだけでなく、「お金に働かせるという選択肢」があることを20年以上も前にこの本は教えてくれていました。

「自らが額に汗して働くことで生活を豊かにする」という成功モデルが難しくなってきたこの国では、「お金に働かせる」という選択肢の存在を子供の頃から、そして大人になってからも継続して、きちんと教えていくことが必要だと私は思います。まぁ、私は手遅れですがね。

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