1ヶ月程の間、咳が止まらずに困っていました。熱がある訳でもなく、ネットで調べても該当する病気がありません。それで、数日前に洗濯してもらった枕カバーを換えていたときに、ふと気付いたのです。「そう言えば、この枕カバーを使って寝ると、いつもよりも激しく咳き込むな」って。安物を買ったツケでしょうか、少し表面がケバだっていることが気になっていたのです。それで、その枕カバーを使わないことにしたら、しばらくして咳が止まったのです。意外なところに「真の原因」がありました。

「真の原因を見つける」ことを目的として、会社において、大きな失敗を対象に「真因分析」がなされることがあります。よくトヨタ自動車さんの「5回のなぜ」が引き合いに出される「アレ」です。原因の原因を見つけるために「なぜそれが起きたのか」を深堀していくことで、真因を見つけることができるだけでなく、関連するプロセス、オペレーション、マネジメント、ツールなどなどに関しても見直し、改善が図れます。

勿論ながら「真因分析」はゴールではなく、二度と失敗を繰り返さないための有効な対策を見出すことが最終ゴールとなります。だから、会社で「真因分析」をしろ!というのは、「真因分析をして正しい対策を考えろ」ということになります。まぁ、そこまでをキチっとレポートできる様な人であり、プロジェクトであれば、そもそも重大な失敗はしていない様な…

けれど、この「真因分析」、本当に底の底まで掘ってしまうとすべてが「当事者の能力不足」に至ってしまい、究極の対策は「当事者を交替させる」ということになりやしないかと昔はうっすら思っていたのです。元も子もありません。勿論ながら「こういう落とし込み方は間違い」で、失敗から学べる組織というのは、真因分析にも優れた方法論をもっている訳です。

今更ながら、このエントリを書くに際して、少しググっていたら、成程ねと思える方法論を紹介するWEBサイトを幾つも見つけることができました。ハハハ、どうして現役の頃に気付かなかったんだろう。そして、真因分析で陥りやすい失敗としては「最初に対策を見定めてしまい、そこに予定調和されたものを真因として見い出してしまう」というのがあるのだそうです。そう言えば、その通りです。結局、再発防止の目的以上に、『「真因分析」をする』という仕事をしていたのかも知れません。

最初の枕カバーの話に戻るのですが、「なぜ」を数回繰り返してみると、健康被害(咳)の再発防止の鍵である真因は「安物の枕カバー」ではないことが分かります。質の悪い部材を安いというだけで調達したことは、私に「健康に関する知識」が不足していたことに起因しています。そして、この知識の欠如は、私の「健康であることへの意識、関心」が低いことがもたらしたものです。

ということで、私は今後、いい年なんだから、「自分の健康をよく考えてね」ということが再発防止対策でしょうか。まぁ、家は会社じゃないんだから、そうは上手くはいきませんけどね。それに会社にしたって「再発防止」はなかなか難しいですよね。

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