昨夜は久し振りにプロ野球の試合を観に行ってきました。学生時代の友人とふたりで。試合を観ていたのか、お喋りをしていたのかというぐらいにいろいろと話をしたのです。それにしても、多くの人が試合を楽しめる様にと沢山の若いフタッフが仕事をしていて、何だか試合以上に心を打たれました。せめての貢献にと、ビールをもう一杯。

何か諍いがあったり、相手が気に食わないなんてときに、煮詰まったその状況では言葉を使って互いが理解するなんていうのは到底ムリなことだと思うのです。時間が経過して、「感情」の波が平坦になるのを待つことだけが、唯一の解決策かも知れません。但し、逆のこともあって、後になってから怒りがふつふつと湧いてくる、なんてこともある訳です。

そんなときにはキャッチボールをするというのは如何でしょうか。紛糾した会議をいったん休憩とし、意見がかみ合わない同士がおもむろに鞄から愛用のグローブを取り出します。オフィス近くの空いた場所、駐車場とか車の通らない道路などで、スパン、スパンとボールを投げ合います。相手が取りやすい様に慮って、胸元あたりを目掛けて十球、二十球。ときにボールがそれて、「悪い、悪い」などと言いながら、更に十球。この頃にはすっかり、相手の考えも少しは理解し、自分の思いも整理がつくに違いありません。何せ、互いにキャッチボールをした仲ですから。

これ、外交でも使えそうです。米国との貿易に関する交渉で行き詰まり、互いがしばらく沈黙した後に、どちらからともなく目で促し、グローブを持って表に出て、スパン、スパン。言葉も何にもいらない相互理解です。「あいつ、重たい球投げるな」とか「コントロール悪いな」とか「全部シュート回転してるじゃん」とか。

メキシコ、中南米の国々、韓国、台湾あたりの国々とは是非、これを試していただきたいところです。相手がフランスやドイツなんてことになると、果たして彼らがボールを投げられるのかが不明です。そんなときにはサッカーボールの蹴り合いという手がありますが、どうにもイメージがつき辛いところです。それに革靴も痛みますしね。

ちなみに2016年に亡くなったキューバのカストロ議長は大の野球好きで知られていました。そのせいもあってか、かつてのキューバの野球チームは恐ろしく強くて、MLBのチームが親善試合すら嫌がるなんて話もあったくらいです。今でも、MLBや日本のプロ野球でも大勢の選手が活躍をしていますよね。昨日もホークスのモイネロ選手が投げていました。

キューバが近くて遠い国であるアメリカの間で「緊張はしても争いにはならない」背景には、実際にはしなかったでしょうけれど、互いにキャッチボールをしていたのかも知れません。

久し振りにグローブでも買おうかな。

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