私がAB型で、カミさんがAB型で、私の兄貴がAB型で、カミさんの弟がAB型です。これで輸血体制は万全です。随分と寄ったものです。

人間は結局死ぬまで「自分のこと」を知りたいのです。だから、「血液型性格判断」とか「出身県民性」とか「XX占い」って奴にどうしても目を背けられない。
ちなみに、日本の占い市場って、1兆円の規模なのだそうです。1兆円の市場規模って「花き小売」、つまり、花屋さんとか、観賞用植物販売とかの小売ビジネスと同じ規模なのです。乱暴に言ってしまえば、植物に安らぎを求めたり、大事な人に花を贈るのと、自分のことを知りたいという要求とは大体同じ価値なんですね。
※出典:「花き小売市場規模」市場規模マップ

以前のエントリで「コンサルティングというのは壁打ちの壁になる仕事」といったことを書きましたが、占いは「既に決めていること、こうしたいと思っていること」に関して人の背中を押すものかなと思っています。

「ようつべ」に大量に占い動画というのがupされているのですが、視聴回数が多いものって、占い師さんの説明が「よくできている」のです。柔らかな声で適度なスピード感の説明、分かり易くて心に残る言葉の選択、基本的にはポジティブなアドバイスの体であること。
こんな風に書き出してみると、セミナーでの「ウケる講演」と同じです。まぁ、セミナーの聴講も「自分で考えていることの確認」みたいなところがありますしね。

アンケート調査によると、男性は働き盛りの30代~40代で「占いサイト」を使う人が12%くらいいて、50代になるとこれが7%になり、60代では5%になってしまいます。とても納得性が高いアンケート結果です。50代になると迷うことが少なくなり、というか、「諦めて受け入れることが多くなる」ということかと思います。
一方で女性は、20代が17%、30代で14%、40代で11%、50代で10%、60代で16%という、これはまた随分と興味深い結果になっています。若き頃はいろいろと悩み、中年になり達観するも、老後の入口でまた悩む。
勝手な憶測ではありますが、60代女性の悩みというのは、ちっとも悩まない無神経な夫が家にいることによって生じるものだと思われるのです。うん、納得性が高いぞ。
※出典:占いサイトに関する市場調査(2012年)

また、「コロナ禍で占い人気が拡大」という調査レポートが幾つも発表されています。私としては、「コロナ禍が原因なのではなくテレワークの普及が一番大きな原因」と思うのです。

社員のテレワーク勤務に関し、あの手この手の「きちんと働いていることを監視するツール」をIT企業がサービスビジネス化していますが、まぁ、限界がありますし、余りきっちりやると、ただですら生産性が下がっている社員に止めを刺しかねません。会社も「適当にサボっているな」と容認しているので、上手く社員も立ち回ればよいのだと私は思っています。

それで、テレワーク中は「働く」だけでなく「自分のことを考えてしまう時間」がどうしても増えていってしまう、しかも、相談相手としてうってつけの個人持ちのパソコンやスマホが目の前にあり、それを使っていても(恐らく)咎められることはない。占い方面、スピリチュアル方面に関心が向くのは必然の流れなのでしょう。

ちなみにアメリカでも「コロナ禍」「テレワーク」により、「自分を見つめ直す」ということが特に若い世代で起きており、アメリカの場合はこれが「大量離職」の一因になっているといるのだそうです。何でも2021年4月から8月までの間に自ら離職した人は全米で2,000万人近いのです。(米連邦政府の発表データ) ちなみに「The Great Resignation」と命名されているそうです。英語というだけでカッコいいなぁ。
日米の「自分を見つめ直す」ことに関するアクションの違いが面白いですね。

血液型も、出身県も、星座も、易における星も、干支も、みんな自分にくっ付いている属性データで、「私の一部であるもの」です。これを手掛かりにして、みんな「何かの兆し」を見つけたい、自分の決断が正しいものと信じたい、自分とは何かを知りたいのです。
そして、これらは、この時代、この国では見知らぬ同士が会話を進めることができる「共通コード」でもあるのです。罪もなく、諍いも起きない、安全地帯での自己表明です。みんなコンパとか、最初のデートとかで、お世話になったでしょ。「へぇ、キミってさそり座なんだ」とか言って。

ちなみにAB型の私は「二重人格」、「話がコロコロ変わる」、「やや冷たくて冷静」…という性格なのだそうです。そうか、自分の欠点は血液型のせいだったのか、もう自分を責めて生きるのは止めにします。

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