私がCDからMP3ファイルを作成し、スマホやPCで音楽を聴くまでの作業を書いてみます。

先ず、CDをPCの光学ドライブにセットし、CDから音声ファイルに抜き出す作業をします。CDに収められている音声データを「WAV」という無圧縮のフォーマットのファイルに変換します。WAVファイルは無圧縮なので、CDから音の劣化がなく、本来はこのままで聴きたいのですが、「容量を食ってしまう」のです。1分で約10MBにもなってしまいます。つまり、再生時間が60分のCDをWAVファイル化すると、600MBにもなってしまいます。私は慎重な性格(心配性)なので、「無圧縮のファイル」をすべて、保存しています。この状態のファイルがあれば、いつでも、何度でもMP3ファイルを作ることができます。
これには、「CD2WAV32」というフリーウェアを使います。これは結構に定番なソフトウェアで、最新バージョンは2009年ということですが、現在でも「窓の杜」や「VECTOR」でダウンロードすることができます。CDから音声ファイルを抜き出す(WAVファイル化する)際にもいろいろと設定ができるのですが、私は取り込む際の音圧(音の大きさ)以外は初期設定のままにしています。昔のCDは総じて音圧が低いので、取り込む際に「120%」程度で設定することが多くなっています。また、CD2WAVE32では、後述となる「WAVファイルをMP3ファイルに変換するためのツール」(エンコーダー)と連携させて、一気にMP3ファイルを作ることもできますが、私はCD2WAV32を単体で使っています。
CD2WAV32を使って、CDから音声を抜き出すのと同時に、もう一つ大切な作業をしています。それはWAVファイルに曲名を付与してるのです。CD2WAV32からは「CDDB」という膨大な量のCDデータ(曲名、アルバム名、アーティスト名など)が登録されているデータベースに接続ができます。世界中のボランティアにより、書き込まれたCDデータをこちらは有難く受信することで、手間を掛けて、曲目などをキーボードから打ち込む手間が省けます。「ないものはない」という素晴らしいデータベースです。

次にWAVファイルをMP3ファイルに変換するするための作業(エンコード)を行います。これには、「LIFE」というフリーウェアを使います。LIFEは「LAME」というエンコードソフトに扱い易い操作環境(GUI/フロントエンド)を付加したもので、これも「VECTOR」などのダウンロードサイトから簡単に入手することができます。
ここではWAVファイルからMP3に変換するためののエンコードレートを設定します。以前はビットレート:128kbpsでエンコードをしていたのですが、最近では192kbpsで設定をしています。よく128kbpsであればCD並みの音質などと言われますが、128kbpsでは192kbps以上のビットレートでエンコードしたものに比べて音の粒立ち(個々の楽器の音)が明らかにもやもやしているので、5年ほど前から、192kbpsに変換レートの設定を変えているのです。よく聴く曲で128kbpsで以前にエンコードされているものがあれば、改めてWAVファイルから192kbpsでエンコードをし直しいますが、時間と手間が掛かるので、全部を律儀に置き換えることはしません。
尚、MP3ファイルは128kbpsで圧縮すると1分で約1MB、192kbpsでは1分で約1.4MBのサイズとなります。どちらもWAVファイルに比べると大分小さくなっています。

そして、最後にWAVファイル、MP3ファイルのタグ情報(ID3タグ)を整えて、すべての作業は完了です。タグ情報の編集には「SuperTagEditor」というこれもフリーウェアを使っています。このフリーウェアも定番中の定番です。タグ情報とは音声や映像などのメディアファイルに埋め込まれている情報で、私たちがスマホで音楽を聴くときに曲名やアーティスト名が表示されるのはこのタグ情報を読んで、表示しています。また、アルバムの曲順などの情報も埋め込まれており、「アルバムの曲順どおりに聴く」などということができるのも、このタグ情報を参照しているからです。
タグ情報を埋め込まなくても、音声ファイルを聴くことはできるのですが、私はどうにも、このあたりをキチンとしておきたい(埋められるものは埋める)のです。

こんな面倒な作業をかれこれ25年程も続けてきた訳です。この間で、それぞれの作業を行うソフトウェアも、いろいろな評判を確かめては変更してきましたが、ここ15年程はこの「3種の神器」ともいうべきフリーウェアを固定して使っています。

配信サービスで買った高品質の楽曲を手軽に聴くというのも便利でありがたいことですが、「家」という効率やら生産性やらということを一切無視した世界で自炊したMP3したファイルをいろいろな場所で楽しむのもよいものです。
※先日、これらのファイルのバックアップ環境を増強しました。今更、「うっかり消えてしまいましたぁ!」というのは辛いので。

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