世の中には経済的な心配もなく、早々にも働くことを店仕舞した人も沢山いるに違いありません。実際には例え「働くこと」を辞めたとしても、社会とのつながりを一切断つことはできないので、人として生まれたからには最期の日まで何らかの役割を担うことになります。

先日、「いくつまで働くか」というエントリを書いたのですが、今日は「その後」のことを考えてみることにしたのです。そう、ヨレヨレで、くたくたで、へとへとになった自分のことを考えてみる訳です。少しも楽しくないぞ。

<状況の整理> ※これはフィクションであり、願望でも予定でもありません
75歳の誕生日を迎える少し前に私はついに50年以上にわたる「労働人生」にピリオドを打ちます。75歳無職の誕生です。90歳まで生きても何とか「お金に困らない」ところまで「やり抜いた」のです。50代でフルマラソンを4時間もかけて完走したあの日の様な「徒労感」を覚えます。あー、疲れた。
ちなみに「万が一100歳まで生きてしまった場合」については、随分前に考えることを止めてしまっています。2018年のビッグローブの調査によれば、希望の寿命として最も多かったのは、「80~84歳」で全体の25.5%だったそうです。一方で、別の調査ではしっかりと備えをしている人程「長生きをしたい」との願望が強いそうです。まぁ、結局は「生きていたいから生きている」ということです。何のことやら。90歳まで生きるという見積で先ずはOKとしましょう。

<国民の義務を果たす>
ちゃんと国民の三大義務って言えます? お風呂の中だけじゃなく、適当に人が乗っているエレベータの籠の中、恥ずかしくても逃げ場のない場所で言えます? ちゃんと憲法に書いてありますよ。『教育の義務』『勤労の義務』『納税の義務』ってね。
75歳になった私は、もはや最初の二つは卒業しているので、これはクリアです。まぁ、赤点スレスレだったけどね。

さて、残された『納税の義務』は死んだ後まで逃れることはできないので、私にできることは「正しく払う」ということだけです。年金にも税金が掛かります。所得税、復興特別所得税(令和19年まで)、住民税。今後、更にここに近頃気前よく政府がお金をバラまいていることへのツケを私たちが払わされることになるかも知れません。「新型コロナ税」とかね。そんなことになるなら、下らないことに使わずに返せばよかったよ10万円って、みんなの怨嗟の声が列島に渦巻くのです。他にも財産税だの何だのと「あの手この手」が待ち構えています。

それから、不動産を所有している私は「固定資産税」も払い続けます。これ、高齢者とか、年金受給者への軽減措置とかまったくないのね。まぁ、長期にわたって富の偏在を無くすことが目的の税金だから、いつかみんなその軍門に下る訳です。いいよ、持ってけ、泥棒。

それ以外にも自動車重量税やら、「税金」ではないけれど、国民健康保険料やら、介護保険料やら、NHKの受信料やらも払わないといけません。ため息が出ます。もうすぐ死ぬけど、殺してくれって感じです。

ちなみに「選挙の投票」って義務じゃなかったんですね。この年まで勘違いしていました。選挙好きなのでこれまで皆勤賞を続けているのです。こうなったら生涯皆勤賞を狙うぜ。

<ご奉公>
これまで社会に育ててもらった恩返しに何ができるかという話です。老骨に鞭打ってボランティアに参加するもすぐに座り込んでしまい、皆さんに助けていただくというシーンが目に浮かぶので、これはパスです。
すると75歳の私にできることは二つです。一つは「良き市民」でいること。いつも機嫌のよい老人でいて、自らは急がず、急ぐものには道を譲って生きていくことにします。
もう一つはamazon経由で「消費税」を納めることです。ただ、お買い物を楽しくするというだけですけどね。まぁ、あの世までお金を持っていけないので、適度に消費活動(浪費活動)を続けるのです。但し、日本の消費税は2030年には「15%」になることが予想されているそうですから、ポチっとするのもドキドキしそうです。心臓に悪いなぁ。

<家族のケアと自分のケア>
それぞれの家庭で「家族がお互いのケア」をきちっとやる。当たり前ですが、これが75歳無職の私の最大の役割です。そのためには「自分のケア」もしっかりせねばなりません。きっとその頃には「ウルトラシニア割」などという何やら必殺技の様な名前のジムの特別料金プランがあって、これを使って、せっせとプールで歩いたり、浮かんだりすることにします。

<後始末>
いよいよ現時点思いつく「役割」の最後となるのは「後始末」です。大したものは残らない、残せないものと思いますが、一応、「どうして欲しいか」の道筋を付ける必要があります。どんなに愛着のあるものでも、そろそろヤバいと自分で悟ったら、あげたり捨てたりをしなければなりません。「いらない」って言っても、強引に渡すから、覚悟してね。ケチだからなかなか捨てられないんだよ、おじいさんは。

改めてシミュレーションをしてみると、結構にボーっとしていられないことが分かりました。それにしても「75歳無職」、そんなに先の話ではないのです。「老人更に老い易く財成り難し」先人の言葉は重いのです。えっ、そんなこと誰も言ってません?

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