カミさんがようつべを熱心に見ているので「それは何の動画?」と尋ねたら、「軽井沢の別荘地」と返ってきました。「何だか『せいせいして』いいよね、こういうところ」と言うので、収入もなしにどうやって暮らすのか?と再度尋ねると「あなたが別荘地の管理人の仕事をする」という完璧な答えが返ってきました。困りました。

高齢者の地方移住は喜ばしいことなのか、問題なのか、それぞれの立場からそれぞれの考えがある様です。それぞれの立場とは、①移住したい人 ②その家族 ③移住先の行政 ④移住先の住民です。若い人が移住してくるのであれば、移住先も「大歓迎!」なんでしょうけれど。

①移住したい人は、もう誰が何と言っても聞かないでしょうし、お好きにどうぞということになります。②その家族は、結構に困ってしまうという話があって、単身移住とか、この機会にいっそ離婚といったことに及ぶケースもあるそうです。

普通に考えれば、移住とは今までの生活の基盤をすべて捨てるということですから、余程の覚悟が必要になります。気候は? 治安は? 交通手段は? 災害時の対応は? インフラ(電気、ガス、インターネットなど)は? 公共施設(役所、図書館など)は? 住居は? 病院は? 介護施設は? 買い物は? 生活費用は? 一人になったらどうする? 地域活動への参加は? ゴミ捨てのルールは? 近所に困った人はいない? … 気になることが山盛りです。

移住したい人は「多少は不自由なのが当たり前!」などと言うのでしょうが、連れていかれる家族はたまったものじゃありません。それにダンナの方は大抵の場合、「知り合いや親戚をたくさん呼んでバーベキューをやる」などといった不穏なことを考えているのです。これでは家族は逃げ出してしまいます。

TVでは盛んに「移住万歳!」みたいな番組が放映されていますが、ネットでは最近「移住失敗」的な記事や動画も目に付くようになってきた様に思います。そんなに都合のよい話、楽園の様な場所があるハズはないのです。

③受入側の自治体からすると高齢者であっても移住による地域の人口増加は空き家対策、地域活性化などがメリットとされ、盛んに移住支援が行われています。しかしながら、中長期的には一人当たり医療費の上昇、スプロール現象(無計画な都市化による虫食いの発生に伴う地域コストの増大)、一代限りでの住宅放棄/新たな僻地集落の発生など懸念点も多く指摘されているのだそうです。そして、最後に④移住先の住民、きっと複雑な心境なんでしょうね。

もともとが心配性なので、カミさんの話を少し真に受けて、いろいろと考えを巡らせたらマイナス方面にばかり目がいってしまい、すっかり気分が重くなってしまいました。「石橋を叩いて割る」タイプの私には、とても移住はできそうもありません。

それに、今住んでいるところも東京の遥か郊外で、とても「都会」と呼べる場所ではないので、田舎から田舎に移住してもしょうがありませんしね。

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