幸せなとき、満ち足りていて、特に現状に大きな不満がある訳ではないとき、私はどうにも「その先」に向けた準備や努力をする意欲が湧いてきません。「幸せならそれでいいじゃん♪」ということで、楽しいことを満喫してしまいます。言うなれば「キリギリス体質」です。

そして、しばらくすると風向きが変わって、不幸が私を見舞います。どうにも神さまに好かれていない様で、必ず天罰が下るのです。すると俄然そこから脱出するためのエネルギーが湧いてきて、あれやこれやと暴れまわり、何とか「次の幸せなとき」に双六の駒を進めることができるのです(取り敢えず今までは)。ということは私が頑張ることができる力の源泉は「不満」「失望」「怒り」「恐怖」といった負の感情だということになります。ダークサイドのパワー恐るべしです。

きっと「大きなこと」を成し遂げる人は、私の様な「負の感情」というエナジードリンクを飲まずとも、自らの中に信念の火を灯し、自ら学びに身を投じることができる人なのです。「なる様にしかならない」という呑気な思いでボーっと生きている人(私)と、「こうなりたい」「こうしたい」というビジョンを持っている人との違いとも言えます。

幸福学研究の第一人者として知られる前野隆司先生(慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント(SDM)研究科教授)によれば「幸せが永続する」には次の四つの因子が必要なのだそうです。
①自己実現と成長(「やってみよう」因子):夢、目標、自分の強みを持ち、夢や目標を達成しようと努力する
②つながりと感謝(「ありがとう」因子):多様な人とつながり、感謝する
③前向きと楽観(「なんとかなる!」因子):物事を前向きに、また楽観的にとらえる
④独立とマイペース(「あなたらしく!」因子):自分らしく、他の人に左右されずに、マイペースで生きる
※引用:幸せをつかむ4つの方法(慶應大学SDMヒューマンデザインラボ)

ふむふむ、ということは、私が「脱出したい」と思う状況、即ち「不幸」というのは、この4つの因子の一部、もしくはすべてが欠けている状況ということになります。という訳で「幸せの4因子」をひっくり返して「不幸の4因子」を考えてみます。
①何もこの先に夢や目標を感じることができず、やる気がでない
②閉塞した環境で殺伐としている
③この先、悪くなる一方と感じ、悲観している
④誰かにコントロールされ、自分の思い通りにならない

書いていて気持ちが悪くなってきました。こりゃヒドイ状況です。まぁ、この中の一つでも頭から離れなくなったら、普通は逃げだすのに必死になるよね。だって、これ、「地獄」の描写だもの。

思うに私の場合は「今は地獄でも、その先にある『希望』を信じて頑張る」とか言った美しい話ではなく、ただひたすらにそこから逃げたい、脱出したいという純粋な思念が「頑張りに繋がる」ということだった訳です。

そうか、だから、毎度脱出したら、そこがゴールなので、その先のどこにも辿り着かずにヘラヘラして、しばらくするとまた「不幸」に引き摺り込まれたんだ。長いこと生きてきて、ようやくそんな「自分」に気付きました。もっと若いころにきちんと「自分探し」の旅でもしとけばよかったよ。今まで「自分探し」をする人のことを「?」な人と思っていました。ごめんなさい。

けれど、これまで「不幸」「怒り」「恐怖」に満ちた場所から脱出するという行為だけが、私にとっての「学びのとき」であった様にも思えるのです。人が何かを学ぶときに「何がモチベーションになるか」なんて分からないものです。何とも救われない話ですが、今日はそれでよしとします。だって、まだGWは終わっていないのですから。

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