最近は残業をしようにも肝心のパソコンが業後には使えなくなったり、オフィスも早々も施錠がされて追い出されてしまったりと、あんなに残業を愛していた日本のサラリーマン(オフィスワーカー)にも試練の時が訪れました。
そして、誰も残業をしなくとも会社が傾いたり、困ったことにはならなかったのです。みんな、残業せずとも「出来た」じゃないか! 給料は減ったけどね。

残業は職種により、その「考え方」や「やり方」が大きく異なるものと思います。工場や所謂現場での仕事については、基本として「会社からの要請」に基づき残業が発生し、これは個人の都合の方を調整するものであり、命令があれば、粛々と対応を行うことになります。

一方でオフィスワーカーは、多くの場合、個人の裁量で残業が行われ、これを上司/会社が承認をするというスタイルになります。「あいつ遅くなで頑張ってるな」などと評価をされ、加えて「残業代」まで支払われるのですから、これは家になど帰っている場合ではありません。

いずれのケースも「残業」は常に一定量あるものではありませんが、雇われ人(サラリーマン)を続ける以上、必ず「付き合わざるを得ないもの」でもあります。残業を巡る論点を幾つか確認してみます。

<所得における残業代の比率>
年収に占める平均残業代は7%程度だそうです。
※ 出典:厚生労働省 「毎月勤労統計調査令和3年分結果確報
平均年収:316万5,132円(ボーナス等を含まない)、平均残業代:21万6,276円というデータ公表されています。業界や業種、職種、企業規模などにより千差万別とは思いますが、この平均値の家計を考えると26万円のお給料の中、1.8万円が残業代ということですので、もし、残業代が急に「0」となっても何か壊滅的なことにはならない訳です。

<残業代込みの危うい家計プラン>

NHKさんが「沈む中流」として取材に力をいれているテーマがあります。これに関するWEB特集として公開されている「残業代が消えて… 低所得化する“中流”」というページには、手取り30~35万円の中、残業代が15万円(約40%)を占めていた男性の話が出てきます。コロナ禍で残業代が大幅に削られ、共働きの奥さんもパートを雇い止めにあい、結局はローンで購入したマイホームを手放さざるを得なかったとされています。辛い話です。

<一人だけ帰れないという日本人気質>
最近はこの日本人的な気質は変わってきたのでしょうか。私の若い頃はまだまだ「あいつ頑張っているよな」というのが上司から見た評価基準の一つだったので、本当に上司や先輩がいる間に「お先」になんて言うのが難しかったのです。強制的に残業ゼロというルールを作って、その上で成果を公平に評価する様にでもしないと、きっと根本的に仕事に関する考え方が変わらないと思います。どちらかと言うと「そっち」の人だった私が言うのだから、そのとおりなのです。
きっと、テレワークなんかしてても上司からメールが来る間はPCをログアウトできないなんて人が沢山いるのです。管理職の方、夜遅くとか、朝早くのメールはほどほどにして下さいね。

<多すぎる仕事量、もしくは多すぎる余計な仕事>
「長時間労働」に関するアンケート調査がありましたので、「残業の理由」を眺めます。
♪残業の理由:1位「仕事の量が多すぎる」(44.5%)2位「仕事の割り振りに問題がある」(21.7%)3位「ムダな打ち合わせが多い」(20.3%)4位「自分の仕事をこなせるスキルを持った人が他にいない」(18.0%)
※出典:インターワイヤード株式会社 「長時間労働」に関するアンケート(2017.4)
これ、残業をしなくても済む方法がアンケート回答に隠されていて、面白いですよね。マネジメントが仕事を適切に分配して、不要な会議を無くし、自分で抱え込んで仕事を守っている人が担当する仕事から属人性を排する、これで解決してしまいそうです。
残業問題は「個人の能力」よりも「管理職の能力」に原因があるのかも知れません。それに、残業代目当にダラダラ仕事をしている人がいたりすると組織内のモチベーションも下がります。これも「管理職」の腕の見せ所です。頑張ってね、課長!

自分の机があるシマだけ電灯をつけて、ひとりオフィスに残って残業をする。その時はただ辛いだけでしたが、今となってみれば、何だかとても充実した時間でした。もうあんなこと、頼んでも起きませんからね。それに頼まれても出来ませんしね、もはや老いぼれて。

あらら、いつの間にか、私がエントリを書くのに決めている時間を過ぎてしまいました。今日は「サービス残業」ということで。ちゃんちゃん。

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