ニューカレドニアを舞台にした森村桂さんの旅行記「天国にいちばん近い島」が出版されたのは1966年ですから、今の60歳前後のオジサン・オバサンはリアルタイムにそれを受け止めてはいないのです。1984年に大林宣彦監督/原田知世さん主演で映画化されているので、どちらかと言えばこちらの方は同時代だったのかも知れません。私ときたら、本も読んでなければ、映画も見ていないんですけどね。

「天国にいちばん近い島」とは間違いなく「日本」であると私は思っているのです。北の方の国に攻め込まれたら生命の危険があるから「天国にいちばん近い島」という笑えない冗談ではなく、結構本気で私はそんなことを思っています。

最近流行りの「日本ってこんなに凄いんだぜ」みたいなことではなく、ここに生まれて、暮らし、やがて死んでいく身として、他との比較ではなく、「ここはほぼ天国」(Almost Heaven)と思う訳です。それで、そもそも「天国」って何でしょう。

「天上にあるとされる理想的世界をさす宗教的観念」(引用:ブリタニカ国際大百科事典)、勿論ながら、このエントリで書いているのはこちらではありません。私は「苦しみのない楽しい世界、楽園」である天国のこと、ダンス天国とか、焼き鳥天国とか、そんな風に出鱈目に使われる天国のことを言っている訳です。

さて、この国に暮らす人は日本のどんなところを好きなのでしょうかね。
※出典:マクロミル 建国記念日アンケート(2017.2)

<日本が好き?嫌い?>
♪とても好き:49%、まあまあ好き:42%

あわせて何と91%もの人が「この国が好きと回答しています。年代別にみると、「とても好き」「まあまあ好き」の合計が最も高かったのは50代で95%。次いで20代(92%)、40代(89%)、30代(87%)だそうです。今から5年前のアンケートですけれど、「50代」、恵まれてましたよね。バブルだの何だのってね。

それにしてもインターネットなどで「世界」のことを沢山知っている「20代」が他の年代以上に「日本が好き」というのは意外でした。まぁ、「40代」「30代」というのは仕事でも家庭でもいろいろと心配事を抱えて「やってらんねーよ」とか言っている世代なのです。いろんなものに「八つ当たり」しても、私は許してあげます。

<日本の好きなところは?>
1位「治安が良い」、2位「四季がある」、3位「食」

夏の暑さと冬の寒さをあんなにいつも呪っているくせに「日本は四季があるからスキ」というのは、流石「世界一忘れやすい国民」です。けれど四季折々に様々な風景を見せてもらえるというのは本当に幸せなことです。そして、この国では世界中の食べ物が食べられて、しかも安くて美味しい、これは奇跡です。何でも「日本式カレー」が海外でも大人気だとか。ついにバレてしまったのね、カツカレーが人類の歴史上最も美味しい食べ物だということが。

1997年に53歳の若さで亡くなってしまったカントリー音楽の大スター:ジョン・デンバーさんの代表曲「Take Me Home, Country Roads」は、’まるで天国だよ、ウェストバージニアは’(Almost Heaven,West Virginia)と歌い出します。そして遠く離れてしまった美しい故郷の風景を懐かしみ、あの場所に、あの頃に連れていっておくれよと繰り返します。しみじみといい曲です。そして、世界のどこにでも「天国」はあるのです。

私がこの国を「天国にいちばん近い島」だと思うのは、治安の良さ/美しい四季/美味しい食事もさることながら、何ということのない一日が平和に繰り返されることにあるのです。朝目覚めて、しばらくの間、幸せな気持ちで愛猫と共にベッドでうとうとする。こんな至福の時を当たり前の様に過ごせるこの国は「天国にいちばん近い島」という訳です。

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