このタイトルは勿論、朝井リョウさんの小説で2012年に映画にもなった「桐島、部活やめるってよ」へのオマージュです。

せっかく(?)早期退職という割と珍しい体験をしたので、これに関すること(中高年の早期退職/転職)を少しづつ書いていくことにします。役に立たないことは勘弁していただくとして、私の書くものが間違って誰かの背中を押してしまわないことを祈るばかりです。

先ずは、私の早期退職/転職に関するここまでの「あらすじ」です。

STEP0:2020年の10月頃に漠然と「早期退職」という自分の選択肢を考え始める(58歳だよ)

STEP1:どんな生き方がしたいか ☞ まだ健康で気力もある間に、あれもこれもしたい

STEP2:早期退職をしなければ、それはできないのか ☞ YES、とにかく「自由になる時間」が沢山欲しい

STEP3:早期退職後、保有資産(預貯金など)と年金(公的年金65歳~)で「(90歳まで)自由に生き続けられるか/経済的に自立できるか」 ☞ NO、不足分をカバーするために「必要なだけ働く」必要がある

STEP4:早期退職を会社に申請する ☞ 12月に恐ろしく甘い見通しのままに早期退職を決めてしまう。この時点では「次の仕事」がまったく決まっていないという能天気さ。  ※ちなみに、カミさんに早期退職のことを相談した際には「いいんじゃない」とだけ言われました。

STEP5:「自由になる時間」を確保できて、「必要なだけ働く(収入を得る)」仕事を探す ☞ 2021年1月過ぎから大慌てでいろいろな情報を集める。段々にヤバイなぁ、などと思い始める。職業訓練校の見学会に行ったりする。2月に「自分の望みに適う求人」数社に応募し、2月下旬に幸運にも最初に面接をしてもらった会社から、未経験の仕事ながら採用してもらう(正社員)。再就職活動終了。

STEP6:前の会社を3/31に退社(お世話になりました!)し、4/1から今の会社に勤務。未経験な仕事(巨大なオフィスビルの運用管理/テナント管理に関する事務)に戸惑いながらも現在に至る。収入は大幅にダウンするも「自由になる時間」は大幅に増え、これをどう活かすか、どう楽しむか、それともムダに「ぐだぐだの海」に沈んでしまうかは自分次第。

いろんなことがあったけれど、元気に生きてるから無問題。

***

これから、何回か別のエントリ(記事)でもう少し掘り下げてみたいと思っていますが、早期退職を経験した私の「主要な論点に関する独断的な考え」(2022.1.5現在)を書いておきます。ちょっと興味あるでしょ。 ※試験に出るところにはマーカーを引きました

◇ 早期退職という選択肢は「有」か ➡ 僅かな例外を除いて「無」です。僅かな例外というのは、①まったく無職となった場合でも経済的な自立が確立されている(預貯金、投資益、特許収入など)、もしくは②新たな収入源(次の仕事)が100%確約されているケースです。それ以外は長い老後においてお金がショートし、詰みます。起業はバクチです。最低限、年金受給までは安定した収入を途切れさせてはいけません。私の場合は無謀に近い甘い見通しで「清水の舞台からジャンプ」をしてしまいました。

◇ 中高年は再就職ができるか、仕事はあるか ➡ 皆さんが今働いている会社の仕事が間違いなく、みなさんにとって最も幸せな仕事です。コネでもない限り、中高年の転職者に「おいしい仕事」がある訳がありません。中高年にとって、新しい環境で働くこと、新しい仕事に就くこと、想像以上に大変ですよ。最初は独りぼっちだし。

◇ これまでの年収を維持できるか ➡ まったくできません。特殊技能があるか、法律で定められた必置資格を持っているか、転職先の経営者が親戚もしくはマブダチか、この様な恵まれた条件であっても現在の年収の6割もらえれば奇跡です。未経験職種+コネなしでの転職であれば、現在の年収の3割にも届きません。私も正直、収入は減りましたが、「必要なだけ」と最初から考えていた額よりは多いのでOKです。

◇ どこで仕事を探すのか ➡ 知り合いから「引っ張ってもらう」のがBESTです。求人サービス/メディアは多数あり、求人など無限にある様に思われますが、求人案件は多々重複して掲載されており、魅力的な案件にはわんさか「皆さんと同じ様な人たち」が応募します。直近では、かなりキツい条件の求人にもわんさか応募があると聞きました。私は当時、誰かの世話になるのはイヤ!と甘いことを考えていました。使えるものは何でも使うべきです。

◇ 早期退職後、ゆっくり次の仕事を探すのはどう? ➡ オススメしません。応募先企業の若い人事担当者に面接で「この職歴のブランクは何ですか?」と聞かれて、「早期退職をして、しばらく長年の疲れをほぐしていました」なんて言えます? 仕事、なめてんのか?となりますよ、普通は。若ければ「自分探しをしていました」で何とかなるとしても。早期退職後にも働く必要があれば、退職前に次の仕事を見つけておくことが大切です。中高年の転職の「基本のキ」だそうです。私も最初は「雇用保険をもらいながら、しばらくはまったり」と考えていました。しかし、短期間であっても無職中は「健康保険」(会社)を「国民健康保険」に切り替える必要があり、この手続きが面倒だったので、無職期間:0日で転職をすることにしたのです。今思えば、ラッキーでした。

エラそうに書いていますが、人生いろいろ(お千代さん)、自分の人生では自分が主人公(さだまさし)なので、当然ながら人の生き方に「正解」などありません。正直なところ、現時点で、私にしても「自分の選択(早期退職をしたこと)は正しかった!」と確信がある訳ではないのです。ただ、バカはバカなりにこの1年、よくいろんなことを考えてきたなとは思うのです。ちょっとお腹がすきました。

***
ブログランキングに参加しています。よろしければポチっとお願いします。やる気がでます。